の続きです。
まだ読まれていない方は是非前編からご覧になってください!
素敵な出会いを求めて私は店のドアを開けた。
理想↓
現実↓
バーの店員さんによると日曜日の夜はお客さんが少ないそうだ。
仕方無い、と私はカウンターに腰掛けた。
本日のお勧めメニューにあった、フルーツ入りソルティ・ドッグを注文。
ソルティ・ドッグは飲んだことが無かったので、グラスの周りに塩がついていることなどに地味に驚いた。しょっぱいお酒など始めてだったので、自分の涙がグラスに零れ落ちているのかと思った。
店内に流れていたのはJazzではなかったが私の好きな80年代ポップスだった。程よく暗くて、音楽のボリュームもちょうどよかった。バーテンダーはカウンターの向こうで淡々と仕事をしている。テーブル席には大人の女性4人組が楽しそうに歓談していた。私は何だか落ち着いてきて、文化祭で誰からも声をかけられなかったという辛い気持ちも段々と癒えてきた。
お腹がペコペコだった。
「何かつまみますか?」
少しチャラめな風貌のバーテンダーが尋ねる。
「・・・お勧めとかありますか?」
暇女流一人BARのポイント
2、店員に「オススメ」を聞いてコミュニケーションのきっかけを作る
初めて行くバーの店員とどうやって仲良くなるか?まずはお酒について質問したりオススメの料理は何か聞いてみよう。いきなり身の上話を繰り広げるのも何だかおかしいし、その店で取り扱っている「商品」に関する会話をすることはとても自然だから。
「お待ちどうさま」
ほっかほかの牛筋のシチューが私の心の中の空虚な部分に染み込んでいく。
満たされる・・・
私「あの・・・お客さんが多いのは・・・何曜日ですか?」
バーテンダー「んーとねえ、金曜日の夜が一番多いかなあ。仕事帰りのサラリーマンがよく来るから、逆に土日はお客さん少ないんだ」
私「そうなんだ・・・」
バーテンダー「でも初めてバーに行く場合、常連さんの多い平日より、人が少ない日曜とかの方がいいよ」
暇女流一人BARのポイント
3、初めて行くお店は人の少ない曜日、時間帯を狙うべし
そう、私の行動は正解だったのである。混み合った平日の夜なんかだと、バーテンダーさんは常連さんの相手をするのに忙しく、初めての人にゆっくりと対応することが難しい。
まずは人が全然いないような、バーテンダーさんも若干暇な時に行けば色々とお話出来るし顔も覚えてもらえるし良いことずくめだ。初めてのお店でいきなり常連さんと絡むのは実は結構ハードルが高い。でも最初に店員と仲良くなっておけば、彼(彼女)を介して他のお客さんと会話できたり、たまに相性の良さそうな人を紹介してもらえたりする(らしい)。
私はちょいワル風バーテンダーと沢山話した。
失恋した話や、就職活動のこと、家族の話など・・・30代のバーテンダーは私の面白いかどうかも分からぬ無駄話に長いこと付き合ってくれた。
私の好みの男性は明治天皇の玄孫の竹田さんのように、真面目で“ザ・官僚”といった見た目の人なのだが・・・
いつしか目の前のイケイケ・バーテンダーのことを『カッコいい』と感じるようになってしまっていた・・・
私が「これから文化祭シーズンだから色んなところで逆ナンしまくろうと思う」という計画のことを話すと
「〇〇さんはそんなことしなくても・・・黙ってても男は寄ってくるよ・・・」
そんな感じで1~2時間夢のような時を過ごした。
正直こんなに楽しめるとは思っていなかった。
カッコいいお兄さんといっぱい喋って・・・美味しいお酒とご飯を頂いて・・・
なんかホストクラブみたい・・・(※正しいバーの楽しみ方とは異なります)
そのとき
「〇〇さん・・・合コンしない?」
最終章
へつづく