いつも誰かに恋してる、万年発情期なサル目ヒト科ヒト属の皆さんこんにちは。
自分の中に恋が芽生えた気配を感じると誰にも知られないうちにその芽を摘み取ってしまう、種の存続に対して非協力的な暇な女子大生ですごきげんよう。
サル目ヒト科ヒト属に生まれた者なら一度は「この大空に翼を広げ飛んでゆきたいよ」と思ったりしますよね。
今回は実際に大空に翼を広げ世界中を飛び回っている飛行機のパイロットさんへのインタビューに成功したのでその様子をご報告いたします。
1, NEGOTIATION(交渉)
9時間のフライト中、暇だったので近藤あやさんに「スーパーカップ」をキャンペーンガールっぽく持ってもらう遊びをしていた時・・・・・・またあの男が現れた。
「今ならパイロットさんたちにインタビュー行けるよ」
フィンランド航空社員のTさんである。美しい近藤あやさんのことばかり見て、わたしのほうを一瞬も見ないTさんである。
Tさんは普段フィンエアーで広報の仕事をしているのだが、ブロガーたちのためにパイロットへのインタビューを取り付けてくれた。コックピットへ入って運転中のパイロットさんと話をするなんて滅多にできることではない。
「万が一暇女さんと近藤さんのどちらかがテロリストで、パイロットに対して急に危害を加えたりした時は全部ぼくの責任になるって言われてるから、変なことは絶対にしないでね」と念を押された。この2人をテロリストだと思う輩がどこにいるだろうか
「怪しくなんかないよ」
しかし我々が勝手に想像する「悪人」のイメージは時に真犯人を見つける邪魔になることもある。テロリストは子どもの姿をしているかもしれないし、善良そうなお年寄りの場合もあるだろう、もちろん150センチしかない若い女性にだって油断は禁物だ。「悪に対抗するには、ありとあらゆる可能性を想定しておかなければいけない」と冨樫義弘の漫画に書いてあった気がする。
2, INITIATION (承認)
他の乗客が皆寝静まる中、通路を歩いて機長室の前まで来た暇女、近藤、そしてTさん。
CAさんがパイロットに「本当にコックピットに奴らを入れていいか?」と再確認している。
「心変わりしていないといいんだけど・・・」とTさんが不安そうな声を出す。乗客全員分の命を預かっているのだから慎重に慎重を重ねているのだろう。「やっぱり無理です」と言われても仕方ない、と覚悟を決める。
話し合いが終わったみたいだ。果たして・・・・・・
笑顔。入って大丈夫っぽい。
先ほどからずっと脳内に渦巻いている『もし近藤さんがこの日のためにずっと計画を練っていた悪い奴だったら…』という嫌な考えを振り払い、中へ。
3, QUESTION (質問)
うわ、目盛りがいっぱい。
「トップガン」みたいなグラサンかけてるコチラの方が機長さん。飛行機は自動操縦なので手を放していても大丈夫なんだって。
こちらが副操縦士さん。目が合った。照れる。
「なんでも聞いていいよ」って言われる。やさしい。
近藤さんが何も喋らない。近藤さんが何も喋らないことがすごく不安になってきたのでインタビュー開始。
Q、機長歴は何年ですか
A、機長さんは14年、副操縦士さんは8年。
パイロットとか機長とか副操縦士とか色々言葉が出てきてちょっと混乱するかもしれない。わたしもこの時点ではよく理解していなかったのだが、後で調べてみたら
パイロット=飛行機を操縦する人、操縦士
機長=操縦士としての経験と訓練を積み機長昇格試験に合格している人。操縦に関する最終的な指示や判断をする人。
副操縦士=機長の補佐や航空管制官との通信を行ったり、経験を積むための操縦を行う人。「事業用操縦士」の資格を持っている人。
パイロットになるための訓練を始めてからは大体15年で機長になれるらしい。ただ人によってまちまちで、副操縦士になってから4年で機長になる人もいるそうだ。
ちなみにこういう大型旅客機は絶対に最低二人はコックピットにいなきゃいけないんだって。飛行機の中のどこかにもう一人副操縦士が待機していて交替で操縦するんだけど「副操縦士×副操縦士」という組み合わせではダメで、常時「機長×機長」または「機長×副操縦士」という体制になるように組むのだという。
Q、CAさんと恋に落ちることはありますか?
こんな質問をしていいか分からなかったけど、世間の知りたいのはこういうところかな、と思い聞いてみた。
A、恋愛することもあるし、結婚する人もいる。
わたしたちがインタビューしたお二人のパートナーはCAさんではなかったけど、結構パイロット×CAのloveは普通なんだって。夢ある。
副操縦士さんが突然「写真を撮ってあげようか」と言ってくれた。ありがたい。
てっきりキャプテンとツーショットで撮ってもらえている気でいたわたしは『思ってたんと違う』と叫びそうになったが笑顔でお礼を言って質問に戻った。近藤さんはまだ一言も喋らない。
4, Unidentified Flyng Object (未確認飛行物体)
Q、UFO見たことありますか?
昔見たTV番組で「飛行機のパイロットはUFOに関する情報を一般人に漏らしてはいけない」と言ってたのを思い出して、本当に教えてもらえないんだったらそれはそれで面白いし、「ここだけの秘密」でもいいから何か情報を得られないだろうか…とダメ元で聞いてみた。
「あるよ」
・・・・えっ!!!普通に答えてくれた・・・?
「ぼくたちはいつもこのレーダーを見て操縦してるんだけど、ここに鳥でもない、他の飛行機でもない、よく分からない物体が現れることがあるんだ。しょっちゅうだよ」
なるほど、大槻教授が眉をひそめるいわゆる”UFO”かどうかは分からないが、確かに「未確認の飛行物体」は毎日のように現れるらしい。ロマンがある。都市伝説とかオカルト大好きなわたしはこの回答にすごく満足できた。一生懸命交渉&通訳してくれたTさんに感謝したい。
5, SOLITUDE (孤独)
何度もお礼を言ってコックピットを出ると、休憩中だった3人目のパイロットさんがいて挨拶してくれた。すごくハンサムだ。
「かっこいい~!写真撮ってください」
近藤あやさんがさっきとは打って変わってノリノリでパイロットさんと交流している。先ほどあんまり喋っていなかったのは近藤さんが何かの計画を遂行する機会を窺っていたからではなく、その場に好みの男性がいなかったからかもしれない。
このハンサムパイロットもかわいい女子にモテて嬉しそうにしていたのでわたしは奥に引っ込んだ。CAさんが「あなたも写真撮らなくていいの?」みたいな顔をしてコチラを見てくるので思わず顔をそむける。代わりに「あの…女性のパイロットっていないんですか?」と尋ねてみると、「女性もいるわよ。わたしたちにとってとてもハッピーなことよね」と答えてくれた。
「本当にそうですね」とCAさんとニッコリしたら、なんかほっこりした。ハンサムパイロットとツーショットとかもうどうでもいい。
「女パイロットか・・・いいな」
窓の外の景色を眺めながら女パイロットとして活躍する自分の姿を想像してみた。かっこいい。モテそう。
この後も飛行機は順調にフライトを続け、無事に英国マンチェスターの地に着陸し、ブロガーズトリップが始まる。
旅から帰ってきて約2カ月が経つのにブログの中のわたしはまだ英国に辿り着いてもいないこと、そしてパイロットを養成する航空大学校の入学条件が「身長158センチ以上」であることを、この時のわたしは、まだ知らない。
次回→安心してください、とうとう英国ですよ