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暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ

暇を持て余した女の人が欲望の赴くままにしたためています。

暇だから伊豆大島に行ってみた(青春リバースエボリューション編)

国内旅行

11月半ば、東京都の観光PR事業の一環として一人で島へ旅に出た。これはその記録(つまるところ島のPR記事)である

 

 

青天の霹靂

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「大学時代にやっておくべきことは何ですか?」

年下の人間に会うとよくこんな質問をされる。あなたならどう答えるだろう。

「燃えるような恋をしろ」

「一生分の本を読め」

「とにかく勉強」

「体育会系の部活に入ってコネをつくれ」

…そのどれも正しいと思う

 

しかしわたしはいつもこう答えている

 

「船に乗って島へ旅に出なさい」

 

電車でも飛行機でもなく、わざわざ時間のかかる「船」に乗って海へ出る

……それはわたしの思い描く「青春」そのものの姿だった。

 

大学に進学した当初、それまでのモノトーンな人生と決別したくて男女が混在するサークルに入った。男女が混在するサークルに入りさえすればキャンパスライフはバラ色になる、そう信じていたからだ。そして、ついにその日はやってきた。

「みんなで船に乗って島へ行こう!」

 

文化祭で出した食べ物屋の売り上げで旅行にいく計画が持ち上がったのだ。

「異性と船旅」…その甘美な響きに胸が打ち震えた。嗚呼、これが夢にまで見た「リア充」というやつだ…!ここに来てやっと「リア充」を享受できるのだ…!

 

しかしその時のわたしはせっかくのチャンスをドブに捨てるしかなかった。

『この旅行、絶対楽しくならない……』

 

先輩を微塵も尊敬せず、気に入らない後輩は闇に葬り、独裁者となって傲慢な振る舞いばかりしていたわたしは当然のように全員から忌み嫌われていた。どこで間違ったのか、自分のサークル活動の目的が当初の「素敵な男性とフュージョンする」から「組織を我が手中に収める」というあらぬ方向へと行ってしまったのだった。

『とにかくこんな鼻つまみ者な状態で旅行なんて行っても逆に孤独を感じるだけだ』と港に背を向け荒野をひた走った。

 

結局バラ色のキャンパスライフを送れるのはコミュニケーション力に長けたごく一部の人間のみ。残りの者はリビングデッドとして鼠色の人生を消費するほかない…そう気づいたのは大学を卒業した後のことである

 

 

『正しい青春を享受できなかった』という後悔をいつまでも引きずっていたわたしに都から「島に行って旅のレポートを書いてほしい」という依頼が来たのはまさに青天の霹靂、神の思し召しであり、失われた時を求めてもがく航海の始まりなのであった。

 

 

浜松や、ああ浜松や 浜松や

 

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劇団四季の公演を見るためだけにしか降りたことのなかった浜松町駅の近くからその船は出ているのだという。

スーツを着たビジネスマンたちの中をかいくぐり、「竹芝桟橋」へ向かう。

 

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初めての乗船手続きをし、船に乗り込む。

船は意外にも小さく、ハイカラだった。ハイカラというか何ともトリッキーなカラーリングである。また船旅と言えば船底で何時間も揺られるイメージがあったが、この船はジェット船という高速船で、伊豆大島までわずか1時間45分で到着するようだ。船酔いの心配はほとんど無さそうで安心。

 

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船酔いをしているわけではないのに少し具合が悪いのは同船の修学旅行生たちを見て高校時代の嫌な思い出がフラッシュバックしているからなので、彼らを見ないように必死に窓の外の景色に集中する。

 

だんだんと都会のビルの姿が小さくなり、しばらくすると太陽に反射してきらめく水面しか見えなくなった。

 

イルカやクジラなどの海洋生物がいる水域に入ったので船のスピードを緩めます」という船内アナウンスに心が躍る。

 

 

 

上陸!

 

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↑停泊中の大型船を見ることが出来た

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お昼に出発した船は14時に伊豆大島の「元町港」に着いた。雲がかかっているが雨が降る気配はない。

 

とりあえず観光案内所で「宿泊割引券」をもらう手続きをする

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 2013年の台風26号によって大きな被害を受けた伊豆大島では現在(2016年3月末日まで)「復興応援ツアー」や「宿泊費用の割引」といったキャンペーンを実施しているようだ。一泊3000円の割引はかなり大きい。

 

ジェット船の中に置いてあったパンフレットに「港から歩いて10分の場所に『火山博物館』がある」と記述があったので行ってみることにした。

 

 

 火の島

 

この2泊3日の旅の目的は「三原山」という火山に登ることだが、ほぼ何の知識も蓄えぬまま島まで来てしまった。山に登る前に博物館で情報を仕入れよう。

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 大きな道路沿いを歩いているのに誰ともすれ違わない。車もほとんど通っておらずとてつもなく静かだ。

 

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人間より猫によく遭う

 

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歩いている間ずっと潮の香りが漂っていた。ここも夏場は賑わうのだろうが…

 

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「火山博物館」に着いた。大変立派だが、ただならぬ雰囲気を感じる

 

広々とした館内に入ると客はわたし一人だけのようだった。とりあえず先ほど船で一緒だった高校生たちがいなくてホッとする

 

火山の噴火のニュースはテレビでよく見るが、今まで身近に感じたことがなかったので真剣に考えてこなかった。ここは世界にも数少ない火山専門の博物館ということで日本だけでなく外国の火山や他の惑星の火山のことまで詳しく解説してある。

 

伊豆大島は元々「伊豆大島火山」と呼ばれる水深300~400mほどの海底からそびえる活火山の陸上部分らしく、この島全体が既に火山であるようだ。三原山はその中の「中央火口丘」なのだという。昔から数多くの噴火の記録が残っていて、一番最近だと1986年に噴火が起き、その際は全島民が東京23区に避難している。

 

変な話、大陸移動(プレートの移動)で地面が隆起したおかげで山及び陸地が生まれ、その上にわたしたちが生活できているんだよな…という基本的なことをここに来て初めて気づいた。

そう考えると地震や噴火などの「災害」と捉えられている自然活動も、それらがなければわたしたちは今ここにいないわけで、その恩恵を受けている身として文句は言えないのかもしれない…と複雑な思いがよぎる。

 

パネルの情報によるとイタリアも日本と同じ地震・火山の多い国で、国民性はまるで違うが地形は似ているんだな…と勝手に親近感を覚えた。行ったこともないけれど「お互い大変ですね」と言いたくなる。

 

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順路を辿っていくと突然「シュミレーター」と書いてあるドアが現れたので期待はせず中に入ってみた(館内は撮影禁止なのでイラストで表現)

 

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どうやら映像に合わせて椅子が上下左右に動くアトラクションのようだ。地元北九州の「スペースワールド」という遊園地を思い出す。『実はこういう地味なやつが一番酔いやすいんだよな…』と少しドキドキしながらシートに座った。

 

3、2、1、GO!」と男性の陽気な掛け声と共にロケットが宇宙に飛び出したが、椅子は微動だにしない。どこかボタンを押さないと作動しない仕組みかな…と不思議に思っていると、隣のイスからわずかに「カタ…カタ…」という音が聞こえてきた。

 

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音の出る椅子のほうに座ってみるとマッサージチェアの「弱」の半分くらいの強さで腰に振動を感じた。

映像の中でわたしたちのロケットは海底そして地底まで進み、地球が今も生き続けている一つの生物なのだということを学ぶことができた。

 

 

バスがない

 

一通り火山知識及び火山研究家たちの顔を脳裏に焼き付けたので、この日宿泊する予定の「大島温泉ホテル」に向かうことにした。

 

受付の女性に「大島温泉ホテルに行くバスはどこから出ていますか」と聞くと、「もう終わったよ」と言われる。

 

夜遅くまで電車やバスが走っている環境で長いこと生活しているとすっかり忘れてしまうが、そういえば田舎って電車やバスの本数がめちゃくちゃ少ない。

 

大島温泉ホテルまで行くにはタクシーを拾う以外ないようなので観光案内所まで戻ってタクシーに乗り込んだ。

 

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元町港からホテルまでは車で30分ほどらしい。くねくねと曲がる山道を進んでいると、目の前をサッと獣が横切った。

 

 

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鹿の一種であるキョンは小柄で結構かわいいが、大島名物の「明日葉」を食い荒らすので島民は困っているという。なんでも最初は外来種として動物園で飼われていたのだが、1970年の台風で柵が壊れたことをキッカケに逃げ出し野生化→大繁殖してしまった結果島民の人口よりも増えてしまったらしい。

 

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そうこうしているうちにホテルに着いた。

 

 

石坂浩二

 

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忘れないように割引券を提出

 

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良い意味で金田一耕助感のある素敵なお部屋!

 

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キョンの被害を免れた明日葉のお茶とお菓子

 

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「レディ―スプラン」で宿泊すると食事時にワインをもらえる

 

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魚介類がどれも旨い。

 

女ひとりで離島へ入水しに来たと思われているのだろうか、給仕の方(おばあさん)がやけに気を遣ってしょちゅう様子を見に来てくれるので、笑顔をつくって気丈さをアピールする。

 

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↑プランには大島名物の椿油グッズも付いている

 

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21時ごろお風呂に行くと他のお客さんが誰もいなかったので露天風呂を独り占めできた。ずーっと上を見上げていたら流れ星も見えた。メガネを風呂に持ち込んで飽きもせずいつまでも星を眺めていた。

 

2泊3日の旅の1日目は島のリズムに慣れず少々戸惑ったりもしたが、とりあえず次の日の三原山登山に向けて気持ちを切り替えることにした。

 

流れ星には間に合わなかったが、夜空を見つめながら切実に願っていたのは「ブログに書けるような面白ハプニングが都合よくたくさん起きますように」だったという…。

 

つづく